解析手法入門 第5回 マイクロアレイの原理と応用

マイクロアレイ基礎知識

 

DNAマイクロアレイは、短時間で数千から数万種の遺伝子の発現パターンを網羅的に調べることができ、遺伝子発現解析に重要な役割を果たしています。この技術の開発により、いち早く新規性の高い大量の情報を得ることが可能となりました。

この記事では、マイクロアレイを利用して行われている解析技術について紹介していきます。

 

・転写プロファイリング

マイクロアレイを用いた転写プロファイリングは広く普及した解析手法です。マイクロアレイとは本来解析技術やプラットフォームに対して付けられた名称ですが、多くの場合「マイクロアレイ」と言えばDNAマイクロアレイを用いたトランスクリプトーム解析を指すほどです。

アレイスライド上に様々な遺伝子に対応するDNAプローブをスポットしておきます。ここに、細胞や組織から抽出したRNAから合成したcDNAを反応させることで、多種の遺伝子の発現レベルを一度に評価することができます。

・エピジェネティックな解析

ヒトゲノム中のシトシン残基の約4%が、C5位のメチル化によって修飾されています。このシトシンメチル化は、遺伝子発現の調節に重要な役割を果たします。

DNAメチル化は安定したエピゲノム修飾であるため、魅力的な疾患バイオマーカーになると言われています。シトシンのバイサルファイト変換という手法とマイクロアレイとを組み合わせると、メチル化パターンを決定することができます。

・タンパク質結合

ChIP-on-chipを使用する代わりに、マイクロアレイを用いてタンパク質(転写因子などのDNA結合タンパク質)とDNAの結合を評価することができます。様々な配列のDNAをスポットしたアレイスライド上で、タグ付きタンパク質をインキュベーションします。タンパク質が各スポットのDNAの結合部位に結合していれば、そのタンパク質を抗体で検出することができます。

dsDNAをアレイスライド上(in situ)で合成する手法と組み合わせると、多様な配列に対するタンパク質の結合を迅速かつ低コストに解析することができます。

まとめ

核酸分析のために開発されたマイクロアレイですが、タンパク質などの分析に適合させることができます。様々な分析手法とマイクロアレイ技術を組み合わせることにより、より生物学的に意味のあるデータを得ることができるでしょう。

参考論文

Nature Reviews Microbiology volume 7, pages 200–210 (2006)



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